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紙で魚を釣る!?新企画『バルカナイズドファイバー釣り針』(1)

6月某日、東京紙器会議室にて重大会議が開催された・・

メンバーは
常務取締役:山田徹也
営業部長:勝部光彦
レーザー担当:古閑早央里
そして私 山田俊英である。

山田俊英(以下:俊)「ブツは用意してきましたか・・?」
山田徹也(以下:徹)「もちろん。5,6個持ってきたよ・・」

 

そしておもむろにテーブルのうえにブツが並べられる。
それはこの会社におよそ似つかわしくないもの、「釣り針」。

そう・・・東京紙器は紙で「釣り針」を作ろうとしていた。

これはSDGs時代の新たな「釣り針」を作るべく奮闘する紙加工屋(!)の記録である。

 

事の始まりは・・

去る5月、弊社ではひとつの企画が立ち上げられた。

昨年からオープンしお客様に好評をいただいている、紙クリップ専門サイト「CLI-LAB(https://cli-lab.jp/)」。

このサイトではバルカナイズドファイバーというプラスチックの代替素材となる紙を使った各種ノベルティを作成することができる。

このバルカナイズドファイバーの今までなかった新しい使い道を探ろうと、Lancersでアイデア募集を行い、そのアイデアを実現しようという企画だ。

 

クラウドソーシングでの斬新なアイデア

アイデア募集では、SDGsの観点から環境に配慮した秀逸なアイデアをのべ20以上いただくことができた。

弊社ではコンペ形式でアイデアを募集する際、最終的な入選アイデアを社員投票にて決めることにしている。今回もすべてのアイデアを平等に確認・検討し、投票を実施した。

結果、3つのアイデアが最終選考に残ったのだが、中でも社長一押しであったのが「役目が終わったら自然分解される釣り針」というアイデアだった。

確かに釣り針は通常分解されない素材で出来ているので、自然分解されるというのは環境に優しいし、そもそも水に浸すことになる釣りに紙素材を使うというのは全く新しい考えに思える。

弊社の社是は「Ideaを形に。」である。チャレンジする価値があるアイデアだ。

 

そして会議は続く

 

 

「いろんな種類の釣り針がありますね。常務はどのタイプがいけそうだと思います?」

「正直海よりも川がいいと思うんだよ。針の強度的にも。」

「確かに海の方が環境的に厳しそうだし、魚も大きいから針が持たないかもですね」

勝部光彦(以下:勝)「タナゴとかだったら全然いけると思います」

「俺はコイも絶対イケると思うね」

「コイはさすがに持たなそうですけど・・」

「結局は釣り針が刺さるかどうかが重要だから、先端を鋭利に作れるかだなあ。」

古閑早央里(以下:古)「普通にカットはできそうですが、作ってみないと全然どんなものになるかわからないですね。尖った部分は再現が難しいので、ヤスリとかで仕上げないと」

「とりあえず全部試作してみよう!それで出来たものでテストだね。濡れたらグニャンとしそうな気もするけど・・」

「わかりました!試作してみます。」

 

試作へ

もってきた釣り針の寸法をはかり、それを基にデータを作成していく。

釣り針は大きい物ではないのでバルカナイズドファイバーの原紙にかなりたくさんの面付ができそうだ。厚みはとりあえず0.8mm、1.0mmで試作をしてみることとなった。

色はいくつか選べるが、白、黒、灰色にする。もしかするとルアーのように色によっても食いつきが異なったりするかもしれない。

 

さあ出来栄えは・・

 

 

「試作してみました!どうでしょう」

「0.8mmは結構細いね!でもイケル気がするわ」

「細すぎて頼りない感じですね」

「濡らしても大丈夫なのかな」

濡らしてみる・・・

「どうでした?」

「見てこれ笑」

バルカナイズドファイバーは濡らすと形状を変化させることができる。0.8mmバージョンでは少し力を入れると伸びてしまい釣り針の形状を保てない。

「これじゃー厳しいですねえ」

「でも1.0mmは何とかなりそう!先もかなり鋭利にできそうだし」

「フライとかいいかもですね。」

「確かに!うちフライの道具もあるからやってみようか」

 

続く!

というわけで釣り針の試作ができた。思ったよりも釣り針らしくなっている。あとは魚にかけることができるのか、かかった時に釣り針が持つのか、だ。

恐らく大量にロスがでるであろうから、多めに予備を準備して、いざ勝負!

次回、ファイバー釣り針の真の実力が試される!

現時点で釣りに行けてないので次回アップは未定!笑

 

それから1年後・・・
続編:「待たせ(過ぎ)たな!『バルカナイズドファイバー釣り針』(2)」に続く

 

お客様のアイデアが世の中にない新しい物を産み出す

釣り針は思いがけないアイデアだった。実は釣り針を試作する過程で副産物として更に新しいアイデアが生まれた。

0.8mmでは濡らすと縫い針のように細長いものになってしまったが、そこから、よく服などについているタグ止めをバルカナイズドファイバーで作ったらどうだろうという着想を得たのである。

細長い形状にして、輪を先端に作り、逆側の先端にかえしを付けておく。そしてファイバーを折り曲げて輪にかえしを通せば簡単に外れなくなる。

いろいろな物に応用ができそうな仕組みだ。

 

アイデアは時に連鎖反応を起こす。

弊社も常に刺激をもらうことで新しい物を産み出し続けたい。

積極的にお客様のアイデアを形にしていきたいと思います。

紙加工のご相談は東京紙器まで!お問合せフォームからお気軽にお問合せください。

山田俊英
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