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FSC認証?古紙配合率?いまさら聞けないSDGs時代の必須ワード

弊社は印刷がメインではありませんが、印刷したものを加工するという点で印刷業界に属しています。
この業界にいると最近聞くのが、「FSC認証用紙で作れますか?」、「古紙配合率って70%超えてます?」、
「ベジタブルインキで刷ってほしいのですが」etc..etc..

そうです。SDGsが叫ばれる昨今、環境を重視するバイデン米大統領が就任したことなども影響し、
環境配慮型の印刷用紙やトナーを使いたいというお客様が増えてきているのです。

特にコーポレートイメージを大事にする大企業では、CSRを推進する部署をはじめ、このような要望を持つところがとても増えています。
ノベルティを提案するような広告代理店や印刷会社などではこれらの対応を今まで以上に迫られること必定です。

しかし、結局FSCってなに?古紙配合??何となくで理解していませんか?改めて今回の記事で簡潔にまとめてみたいと思います。
たくさん「?」があるあなたも、これを読めば今日から立派なSDGser!(造語)

 

FSCって要するに森に優しい的なやつですよね?

FSCとはForest Stewardship Council(森林管理協議会)の略称で、90年代初頭に林産物が適切に管理された森林から責任をもって生産されたことを
証明するシステムとして誕生した国際的な組織です。要するにFSCは森林や木材を、きちんと管理・運営されたものですと認証する組織なのです。

つまりFSC認証紙とは紙自体がエコな素材というよりも、「この紙は環境に配慮した管理をされている森林から、
適切な加工、流通を得て作られています」というお墨付きを得られるということなのです。

 

再生紙とは何が違うの?

再生紙とは古紙パルプを配合した紙のことで、配合率が5%でも再生紙と呼ばれます。
70%以上含んでいるとエコマークをつけることができます。バージンパルプで作られた紙に比べると品質は落ちますが、
回収紙を使うため環境には優しいものです。

FSC認証紙は基本的にバージンパルプを使った紙なので、再生紙に比べ品質がよく、且つ環境にも配慮された紙ということになります。
(厳密にはFSCラベルにも種類があり、FSCリサイクル、FSCミックスといった古紙が混ざったものもあります)

印刷業界においては、再生紙は印刷適正が良い物とはいえないので、印刷物を作成する場合はFSC認証用紙を使用することの方が多いでしょう。

 

古紙配合率を気にする理由は?

2000年5月、リサイクル社会形成の観点からいわゆる「グリーン購入法」が制定されました。
これは環境物品やサービスをより環境の負荷が低いものにしていき、持続可能社会を作っていきましょうというねらいのもと生まれた法律です。

国をはじめ事業者や国民も、環境配慮型の製品を選択する義務、努力義務を負うようにするものですが、
この法律の情報用紙判断基準に、古紙パルプ配合率70%以上という記述があるため、70%という数値が一つの閾値になっているのです。

 

じゃあFSCはバージンパルプだからダメなの?

当初はたしかに古紙配合率が高いことがとにかく重視されていましたが、2005年に「古紙配合率が高いこと」から
「古紙や環境に配慮したバージンパルプ(森林認証材)を多く使用していること」へ改定されました。

つまりFSC認証紙も環境配慮紙として使っていいよとなったわけです。

 

分かった!FSC認証紙使えば環境配慮完璧ってことね!

FSC認証紙はあくまで、紙に対しての認証であるので、例えば印刷物にFSC認証ラベルをつけたいのであれば、
印刷物にするまでの各工程(加工、流通など)も適切に管理されていなければいけません。

そのためにCoC(Chain of Custody)認証という認証制度があり、例えば最終製品にFSCマークをつけたい場合、
全工程でCoC認証を得ている企業を使う必要があるのです。

 

CoC認証?どうやって取るの

CoC認証は日本に6社ほどある認証機関に審査を申請し、監査を受けねばなりません。
実は最近まで日本の認証機関ではCoC認証ができなかったのですが、2019年3月に日本ガス機器検査協会(https://www.jia-page.or.jp/)が
FSC認証サービス認定を取得したそうです。

 

東京紙器は当然取ってるんだよね!

当然です!と言いたいところですが・・実は取得していません。SDGserとしてこれから取得しようかな・・ということで
いろんな情報を収集するついでに記事を書いてしまおう!という一石二鳥、一挙両得を狙ったというわけです。

はい。スミマセン。できれば、これから取得を目指す企業様の参考に今後CoC認証取得レポなどを書ければいいなと思います。

もちろんCoC認証がないからといってFSC認証用紙を扱えないということはありませんのでご安心ください。
CoC認証はあくまで明確な識別・帳票上での明示や記録保管がされているかの資格であって、それが無い=環境に厳しいということではありません。
弊社では以前ISOを取得し、同じ運用を継続しているので工場の管理については業界内でも高い水準にあると自負しております。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。FSC認証について多少なりとも理解の助けになれば幸いです。これで環境に優しい製品の提案が捗りますね!
FSCについてさらに詳しく知りたいという方はこちらもご参考にしてみてください→FSC ジャパン公式サイト

弊社では脱プラ、環境保全を1つの活動テーマに掲げており、それに沿った製品を多数展開しています。
SDGs時代のノベルティについてご興味あれば是非一度お問合せください。

長い歴史で培ってきたいろいろなコネクションがありますので、お力になれると思います!

それでは!

 

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山田俊英
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