ポンス抜きは、「のぞき」や「押し抜き」とも呼ばれ、スウェーデン鋼型や火造り型などの金属製の型を用いて、紙などの素材を上部からプレスして押し抜く加工方法です。紙の上に型を置いて直接圧力をかけるため、置いた型が不安定になるような小さな形状には不向きですが、数十~数百枚重ねた紙を加工できるのが特長です。また、加工後に「つなぎ(つながり部分)」の痕が残らないのも利点です。
主に封筒の窓抜きや本のくり抜き、メモ帳や付箋などの抜き加工に使用され、大量の紙を一度に加工したい場合に適しています。また、プレスするたびに型を手動で移動させられるため、大きな素材や成型本の部分的な加工にも対応可能です。一方で、トムソン型などの刃型に比べて金型自体の価格が高く、成型に時間がかかるほか、加工後は抜き取られた製品を手作業で型から取り除く必要があるなど、作業面では一定の工夫が求められます。