画像:紙で作る新しい世界.jpg

注目のキーワード

“隨心院” 春の息吹と共に訪れる美と歴史の宝庫

 「紫式部と小野小町と隨心院」の記事で触れた隨心院(ずいしんいん)は、京都山科区に佇む歴史深い寺院です。平安時代から続く豊かな伝統と文化を今に伝えるこの場所は、小野小町に縁のある地としても知られ、季節ごとに異なる顔を見せる京都の隠れた名所です。今回は、春の訪れを告げる隨心院のイベントと季節限定の御朱印の魅力をご紹介します。

隨心院はどんなところにある?

 隨心院は、京都市山科区小野御霊町にある真言宗善通寺派の大本山。地下鉄東西線の小野駅からほど近く、歩いてわずか5分、二条城や烏丸御池などの有名な観光地からもアクセスしやすい場所にあります。京都市の東端に位置する山科区は、平安時代から京都の東の玄関口として近江方面からの物流を支え、政治的、経済的にも非常に重要な役割を担っていました。この地域は自然豊かな郊外地域であり、修行や瞑想に適した静寂さを保っております。また、京都の水を支える「琵琶湖疎水」もこの山科を通って京都へと流れています。

琵琶湖疏水の春
琵琶湖疏水と美しい桜のコラボレーション

隨心院の歴史と遺跡

 西暦991年に仁海(にんがい)僧正によって開基された隨心院は、元々は牛皮山曼荼羅寺(ぎゅうひさんまんだらじ)と呼ばれていましたが、平安時代後期に隨心院とあらためられました。鎌倉時代には、後堀河天皇から門跡(もんぜき)の宣旨を受け「小野曼荼羅寺御殿隨心院門跡」と称されるようになり、格式の高い寺院として知られるようになりました。しかし、応仁の兵火によって七堂伽藍などが焼け衰退後、戦国時代末期の1599年頃には二条家や九条家といって有力な公家によって再興され、本堂は再興当時の建築を今に伝えます。境内には、御本尊の如意輪観世音菩薩像(にょうりんかんぜおんぼさつ)をはじめ、鎌倉時代を代表する仏師「快慶(かいけい)」作の金剛薩埵像(こんごうさった)といった文化財も安置されています。また、小野小町の晩年の居所を偲ぶ「小町文塚」「化粧の井戸」など小町に縁のある遺跡が残り、1966年には、境内地が文化財保護法により史跡に指定され、その歴史的、文化的価値において高く評価されています。

隨心院の境内風景

春のイベント紹介

色鮮やかな「花の間」

 2月9日(金)から3月21日(木)まで開催される「花の間」は、小野小町の生涯を描いた色彩豊かな襖絵「極彩色梅匂小町絵図」と共に、部屋一面に広がる素敵な花々が訪れる人々を魅了します。監修は表参道ヒルズと東京ミッドタウンでフラワーショップを経営される越智康貴さん。今年は和紙で作られた花とおみくじがセットになった「Naked花みくじ」が、土日祝のみ数量限定で用意されています。

初春に必見の名勝「小野梅園」

 隨心院を象徴する花とたずねれば「梅」とかえってくるように、名勝「小野梅園」の梅は必見です。「はねずの梅」で有名な小野梅園は3月9日(土)から24日(日)まで開園し、10日(日)には開園記念イベントも予定されています。「はねずの梅」は遅咲きの梅の品種で、花が美しく、果実は食用や装飾用に利用されます。はねずの梅や白梅、紅梅など約200本の梅の花々が咲き誇る美しい梅園で、一足早く春を感じてみてはいかがでしょうか。

紅梅

小野小町を偲ぶ「はねず踊り」

 3月31日(日)には、約4年ぶりに「はねず踊り」が開催される予定です。毎年「はねずの梅」が咲く頃に、老いの身も忘れたように里の子たちと楽しい日々を過ごしたという小野小町。はねず踊りは、小野小町と深草少将の「百夜通い」の伝説を偲んだ唄と踊りを昭和48年に復活させたもので、地元の子供たちが小野小町と深草少将に扮して踊ります。江戸時代の初期から大正時代までは、毎年春先に地元の子どもたちが家々の門前を回りながら歌って踊っていたそうです。

春の限定御朱印

隨心院24年春季御朱印 全景

 今年の春の御朱印は、華やかな紅梅色の梅の花々の中に小野小町が佇み、それを今年の干支である龍が温かく見守っているようなデザインになっています。荒々しく描かれることが多い龍をむしろ可愛らしく、あたかも小野小町に懐いているようにも見えます。龍の鮮やかながら温もりの感じられるグレーを表現するところは苦労しました。細かい切り絵を行うだけではなく、美しさと歴史や文化を感じさせる隨心院らしい美しい御朱印に仕上がったと思います。A5程の大きさで、柔らかな風合いと質感を追求した「新鳥の子紙」という和風の紙を使用しています。令和6年2月10日より授与されておりますが、限定授与品ですので、お見逃しのないようにご注意ください。

隨心院24年春季御朱印 龍

 隨心院は四季折々美しさと歴史の深さを感じられる特別な場所です。晩年の小野小町が過ごされるにふさわしい場所であったと思います。この春、隨心院の魅力を存分に味わい、心穏やかな時を過ごしに訪れてみてはいかがでしょうか。

隨心院公式HP

https://www.zuishinin.or.jp/

春季切り絵御朱印

https://www.zuishinin.or.jp/2024/02/2024springsyuin/

春の行事予定

https://www.zuishinin.or.jp/2024/02/令和六年春の行事予定/

「花の間」の情報

https://www.zuishinin.or.jp/2024/02/hananoma2024/

https://souda-kyoto.jp/other/spring2024/#event-sec

tokyo-shiki
tokyo-shiki