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印刷業界2023年展望と昨年の振り返り

皆様、新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
光陰矢の如し、この前忘年会をしたと思ったらもう仕事始めですね。2023年一発目の記事は、新年ということで今年の展望、そして昨年の簡単な振り返りをしたいと思います。

 

2022年の漢字「戦」、そしてインフレ

毎年恒例の「今年の漢字」ですが、2022年の漢字は「戦」でした。
その名の通り2月からウクライナをロシアが侵攻し、第2次大戦以来ともいわれる大規模な戦乱がヨーロッパで巻き起こりました。

また、コロナ禍で積極財政政策をとっていた各国のインフレが過熱したため、インフレ率を抑制するための金利上昇がアメリカを中心に進み、先進国で恐らく最もインフレ率が低くゼロ金利政策を進める日本との金利差が生じたため、それを主要因として円安が一気に進行しました。

上記要因によって原材料やエネルギー価格が高騰、それらを輸入に頼る日本においてそれらは非常なコスト増をもたらし、結果としてコストプッシュ型のインフレが進行することとなりました。

 

印刷業界のコスト増

印刷業界においてもそれは顕著で、特に用紙価格が一気に高騰することとなります。製紙会社各社1年間で2度の値上げ、そして今は3度目も視野に入っており、昨年明けの価格と比べれば2~3割は価格が上がっています。

それ以外にもあらゆる印刷原材料の価格が高騰しており、結果として業界全体のインフレに繋がっています。コストプッシュ型インフレであるので、価格が上昇しても利益は増えるわけではなく、各社やむを得ずといった状況だと思います。今上げていない会社もじわじわコスト増のダメージは蓄積されるでしょうから現状の価格維持は長続きしないでしょう。

 

インフレのプラス効果

しかし数十年加工単価等が変わらないと言われるこの業界において、このような業界全体のインフレはここ最近無かった出来事であり、そういった意味ではデフレマインドというものが徐々に払拭される端緒になりうるかもしれません。

 

中国からの回帰と需給バランス変化

長期のデフレマインドと供給過多の状況において、下請け事業者は基本的に元請け業者の極めて強い価格圧力下にあります。構造的に大凸2社及び他数社の寡占状況の業界であるため、各中小零細企業は基本的にそれらジャイアント企業の系列(最近は緩くなっていますが)として仕事を請けざるを得ない構造となっており、価格交渉力は極めて低いと言えます。

コロナ禍は印刷業界各社にも甚大なダメージを与えており、機械や人員の整理をしたところも少なくなく、結果として業界全体の供給力は低下しています。また、中国のゼロコロナ政策の影響も大きく、中国で製作していたものを国内製造に戻す動きも徐々に出てきています。全体主義国家のカントリーリスクや中国と日本の賃金格差が縮まってきていることもあるので、今後もこの動きは続くのでないでしょうか。

これら社会環境の変化は、供給過多であった業界の需給バランスを変化させるとともに各下請け業者がコスト圧力に耐え切れない状況を生み、結果として徐々に価格転嫁が始まることとなりました。社会的に値上げを受け入れざるを得ない空気が醸成されていることもあり、抵抗感が薄れてきています。

一方小幅な値上げではコストアップの方が高くつき、利益が減っている企業も多いでしょう。付加価値をつけられない会社はコストアップインフレの波に飲み込まれていくということです。

コロナ特別融資の返済も始まり財務面に不安を抱える企業も多く、これから徐々に淘汰が進む可能性があります。そうなると企業買収、廃業等が増え、業界構造が流動的になってくるかもしれません。今まで以上に自社のバリューが何なのかを考えていくことが生き残るために大事になってくると思います。

 

SDGsと切り絵御朱印

脱プラをはじめとするSDGsへの各企業対応は印刷業界には追い風となっています。紙の汎用性が見直される切っ掛けともなり、様々な企業が紙を使ったアイデア商材を世に打ち出しています。弊社も紙クリップ、ハニカムファイル、リングレスカレンダー、紙製釣り針、カミハンガーなど脱プラ系商材を数多く手掛けていますが、問い合わせも多く、関心の高さが伺えます。しばらくは環境資材として紙の需要は一定程度あると思います。

また、昨年は切り絵御朱印がブームとなり、全国各地の寺社仏閣にてオリジナルの切り絵御朱印を作る動きが活発でした。コロナ禍で縮小していた観光業の回復起爆剤として観光業界や運輸業界も非常に切り絵御朱印に注目しており、弊社においても数多くの御朱印を作成してきました。多種多様な御朱印が登場するなか、差別化のためにユニークな御朱印を求める声も徐々に高まっており、これからは単なる切り絵ではなく付加価値をつけた提案が求められてくるのではないでしょうか。

今後外国人の入国が回復してくれば更なる需要増が期待でき、今年に関してもいわゆるブーム状態は継続すると思います。出来ればこれを一過性の物にせず、日本の文化として根付かせていきたいですね。紙加工の会社としては様々な紙、加工の提案ができ、やりがいのある事業でもあります。今年も様々なアイデアを記事などでご紹介していきますので、ぜひ今後とも弊社メディアサイトを注目ください。

 

まとめ

今年は世界的にみると景気は減速すると言われています。しかし中国のゼロコロナ政策変更や円安の一服をはじめ、日本だけをみれば景気はそこまで悪化せずむしろ回復するのではないかと思っています。
インフレは激しいため家計支援等の政策は不可欠ですが、舵取りを間違わなければマネーの動きは活発化するものと思われます。

長きにわたるデフレは元々先行きのために貯金することが好きな日本人の財布の紐をより一層固くしてきました。しかし人々が忘れかけていたインフレが戻ってきた今、利率が無い銀行にお金を預けておくのは損になってきています。インフレというのは今買わないと明日はもっと高くなるという現象ですから、一般的に消費マインドは膨らむはずです。消費マインドが膨らむということは景気が良くなるはずですから、印刷業界のみならず日本社会全体にとっていい流れができつつあるということです。

何やら日本経済の再起動がかかってきた気分です。きっと今年はいい年になるはず!
我々も微力ながら引き続き、Ideaを形にしていく所存です。頑張って一緒に日本経済のエンジンを動かしていきましょう!

それでは良い1年を過ごされんことを陰ながら祈念しております。

本年も東京紙器を何卒宜しくお願い致します!

 

“Ideaを形に。”
山田俊英
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