レーザーカットの適正とは(焦げ・ヤニ・スス)
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こんにちは、東京紙器のコガです!
日々レーザーカットの加工をしていると、断面の焦げが目立ちやすい紙・目立ちにくい紙・ススの粉がでて汚れる紙…など紙の種類によって結果が大きく違うことに驚きます。
そこで、いろいろな紙をテストカットして、結果を見てみることにしました!今回はその前段階・基本的なお話しになります。
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レーザーカットの「焦げ」について
そもそも紙のレーザーカットは、レーザー光線を照射して紙を熱で切断している(焼き切るようなイメージ)ために、基本的に全く焦げや変色・黄ばみがないということはありません。
ただ、紙の種類によってその程度は様々で、ほとんど目立たない紙もあれば、ススまみれになるような紙まであります。また、カットライン周辺に黄色っぽいもやもやとした煙が蒸着してしまうこともあります。
その結果は、加工機の種類やスペックによっても変わることがありますので、あくまで本記事でご紹介するのは、東京紙器のレーザーカットの適性結果としてご確認くださいね。
焦げが目立ちやすい場所
弊社で扱うレーザーカッターは、切断した断面+レーザー照射の当たる面(加工面)に焦げや黄ばみが目立ちやすいです。
そのため、弊社では基本的にデータを反転して「裏面」から加工をさせていただいております。そうすることで、表面から見ると焦げが気になりにくいのです。
※ハーフカット・彫刻の併用等がある場合は表面からの加工をします。
レーザーカット適正の低い紙・避けた方が良い紙
焦げが目立つ紙・出やすい紙等を、「適性が低い」としてお話し致します。これまでの経験上ですが、テストカットをする前から適性が低いことがわかっている紙があります。
<塗工紙(アート紙・コート紙・マットコート紙など)>
印刷のインクの乗りが良いように表面塗工されているので、印刷物によく使用されますね。ただ、その表面塗工が影響して焦げやすく、カットラインの周辺にはモヤモヤした煙が蒸着してしまいます。また、粉っぽくススがでやすいため、加工後も周りを汚す恐れが有ります。
【黒い紙】
黒い紙は、そもそもが黒いので、見た目に焦げやヤニというのは目立ちません。ただ紙に含まれる黒の成分の関係で断面には焦げが出やすく、触ると指にススが付きます。
切り絵作品のように頻繁に触るものでなければ大丈夫ですが、加工後の製品のお取り扱いにはご注意くださいね。
【真っ白な紙】
これは選べるならば避けた方がいい、という程度なのですが。焦げやヤニは黄色~茶っぽい色なので、どんな適正の良い紙でも、紙自体が真っ白だとどうしても気になりやすいのです。
「ウルトラホワイト」ではなく「ホワイト」、「ましろ」ではなく「しろ」のように、真っ白な紙ではなく、少し生成りっぽい紙色を選んでいただくと、レーザーカットの焦げが目立ちにくくなります。特にこだわりがないという場合には、ご参考にしてみてください。
【厚い紙】
これも参考までに、ですが、用紙が厚ければ厚いほど、大きな熱をかけることになります。高出力でゆっくり切ることになるわけです。そのため、断面の焦げ具合も大きくなりますし、表面の煙の蒸着も大きくなります。
逆に、薄い紙であれば小さな熱で切れるので、低出力・高速でカットができます。薄いために焦げが見えにくいというのもあり、適正の低い紙であったとしても、コピー用紙程度の厚みであれば1枚で見た場合には焦げを感じにくいでしょう。
次回
今回は前提が長くなってしまったので、次回テストカットの結果を写真やスキャン画像でまとめてご紹介させていただきます!ファンシーペーパーを中心にご紹介予定ですので、もうしばらくお待ちくださいね。
国内で流通しているだけでも紙の種類はあまりにも多く、まだまだ我々もカットをしたことがない紙がたくさんあります。焦げの具合に関しては、正直なところ切ってみないとわからないですので、出来る限りで様々な種類を切っていこうと考えています。
みなさまも、結果が気になる紙があればぜひぜひ教えて下さいね!
レーザーカットのご相談は東京紙器のお問い合わせフォームから是非ご連絡ください。
※お見積りご依頼の際には下記情報を添えてご連絡ください。
・用紙銘柄/斤量
・仕上がりサイズ
・数量
・カットデータ(adobe illustratorのパスデータ)