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『デザインのひきだし』No.50記念号に載りました!

印刷業界に携わる人であれば一度は聞いたことがあるであろう有名雑誌「デザインのひきだし」。
様々な紙の加工技術の紹介や特集を組んでいる雑誌で、近年はその内容の充実度と、実際の加工サンプルを本誌に綴じこんでいることによる発行部数の少なさなどから、毎号即売り切れるほどの人気を持っています。

この雑誌に掲載されるということは、紙加工業界では非常に名誉なことです。

「デザインのひきだし」は2007年に創刊号が発行され、以来16年にわたって様々な紙加工を取り扱っている珍しい雑誌です。過去東京紙器も幾度か取材をお受けし、紙面掲載をしていただきました。

今回50号という節目を迎え、現代日本の印刷加工大全特集ということで、数多くの印刷会社、加工会社の得意な加工を掲載・紹介し、さらに全て実物サンプルを収録するという印刷史に残るのではないかという壮大な記念号となっています。

昭和時代に作られた印刷美術大観という当時の印刷加工を網羅した見本帳があるのですが、記念号ではこれの現代版を作りたいのだということで弊社にもお声がけをいただきました。弊社も紙加工に携わるものとして断る理由は無いと判断し、僭越ながらご協力をさせていただくことになりました。

今回提供した加工サンプル「ペーパークラフト」

東京紙器は創業以来65年以上紙の打抜き加工に携わってきました。ですから今回の実物サンプルも打抜き加工物を供するのが相応しいと思い、完全オリジナルのペーパークラフトを作成することにしました。

弊社は「しかけがみ」というポップアップ事業サイトを運営していますが、開くと起き上がるポップアップは設計が難しく、紙の知識だけではなく、数学的な知識も必要になるため、専門のデザイナーと協業をさせていただいています。

そのデザイナーの1人である、「ペーパーアトリエクレヨン」様にご協力いただき、組み立てると可愛い女の子の人形になるペーパークラフトをデザインしていただきました。

加工の特長

実物サンプルは、厚手のコート紙にオフセット印刷+トムソン加工を施したシンプルなペーパークラフトです。抜きの加工では「つなぎ」の位置や精度が品質を大きく左右しますが、この道数十年のベテラン専務がしっかりとチェックし、美しい加工を施すことができました。

つなぎの他、実際に紙から切り取るときや折るときに綺麗にできるよう、切取り部分は抜き漏れなくしっかりとムラなく切れているか、折り筋部分は筋が割れずに正しい位置に入っているかなど、完成品を見ると当たり前のように加工されているように見えますが、実際には非常に繊細な事前調整が必要になってきます。

なにか打抜き加工をされたものを手に取った際、よくその加工されたところを観察すると、筋にひび割れが出ていたり、つなぎがとても大きく汚く入っていたりする物がたまに見つかります。逆にそういったところがない綺麗な物を見つけたときに、裏で我々のような紙加工会社が時間をかけて調整したんだろうなぁと思っていただけると打抜き加工業者冥利につきますね。

実際に「デザインのひきだし」をみて

実際に製本された「デザインのひきだし」を見ましたが、印刷加工大全の名にたがわず、印刷加工系見本でのべ160、箱系見本で16と、とてつもない数の加工見本が収録されていました。あまり私も見たことがない加工もあり、読むだけで今後のビジネスの参考にできそうな盛りだくさんの内容です。

それ以外にも印刷加工キーワードが50音順に解説されていて、はっきり言ってこの1冊をそのまま社員研修の教科書にできそうなほど充実しています。

このような膨大な内容を執筆・編集したグラフィック社の方たちには、尊敬を通り越し、畏敬の念を抱きました。本当に印刷加工に携わる者として感謝を申し上げたいと思います。

本記事を執筆している今、ちょっと調べてみましたが、すでにアマゾンではベストセラー1位、そして各ショップで在庫切れとなっている様です。手に入れた方は超ラッキーだと思います。一生大事にしてくださいね。絶対に転売するなよ!

とにかくこの度は本当に貴重な機会をいただけて光栄でした。今後とも100号記念目指して「デザインのひきだし」には突っ走ってもらいたいですね!
今回提供したサンプルのようなペーパークラフトに興味がある方は、是非お問合せページよりご相談ください。

それでは!

“Ideaを形に。”
山田俊英
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